玄米
玄米が最高の主食であるというのは、栄養成分の宝庫である胚芽をもっているためです。米粒の一角に座を占め、米粒全体のたった3%の重さしかもっていないこの胚芽に、米の有効成分の大部分が集中しています。
玄米には胚芽の部分にミネラルがたくさん含んでいるのに何故ミネラル不足になるのか
玄米の胚芽や表皮にフィチン酸という強力な排泄作用を持つ物質が多くあり、毒素を出して病気を治していく作用がありますが同時にミネラルも出していくのです。体内毒素とミネラルは別々の所に存在しているのではなく、毒素とミネラルはいっしょに存在しているのです。玄米食で体内毒素を出す時にミネラルも出ていくのです。
●成分
ビタミンA・B1・B2・B6・B12、ニコチン酸、パテトン酸、プロビタミンC、ビタミンE
●作用・効能
胚乳部(白米)
米粒の中心部にあって、澱粉体です。この主成分は炭水化物です。炭水化物は、一般的にカロリー源になるだけのものと考えられていますが、これは体蛋白を構成する主役になるので、私達の体にとって最も重要なものなのです。
この炭水化物は、腸で吸収され肝臓に送られ、ブドウ糖に変化し、体内の各臓器組織に運ばれて、そこで燃焼エネルギーを生み出します、私達の体内で行われる生命活動のいっさいは、そのようにして生み出されたエネルギーによって、まかなわれています。
しかし、その生命活動が行われるには、それを営む主役である体細胞がまずつくりだされていなければなりません。その体細胞を構成する体蛋白を合成する素材となるのが、この炭水化物です。炭水化物がスムーズに吸収され、体の主要成分に変化し、効率よく燃焼するには、重大な条件が必要です。それは、この炭水化物がミネラル、ビタミン、酵素などの各種の有効成分と共存していることなのです。
主食を玄米にするとよいのは、このためなのです。玄米には、胚芽と糠の部分に有効な微量成分・粗蛋白・脂肪類が含まれているからです。ところが、白米の場合は、おなじ米とはいっても、食品としての性格はまったくべつなものになってしまいます。
白米は、私達の体にとって、一番重要な炭水化物の代謝を狂わせてしまいますから、肥満や糖尿病どころか、ガンさえもひきおこします。
胚芽(有効成分の宝庫)
玄米は食品として最高の価値をもっているものですが、そのうちで特に重要な部分がこの胚芽です。
ビタミンB1
玄米にはこれが100g中0.36mgほど含まれています。白米では玄米の1/4の0.09mgほどしか含有されていません。そればかりでなく、白米を水洗いすると、これがさらにぐんと減少し、そのうちの1%ぐらいしか残らないというデーターがあります。
ビタミンB1は、炭水化物が体内で有効に吸収され、燃焼するのに欠かせないものです。もし、ビタミンB1が不足すると、中途半端な代謝成分であるいろいろな糖類が体組織のなかに停滞してしまい、その害を特にひどく受けるのは神経組織で、そのために、倦怠、疲労、肩凝り、手足のしびれ、むくみ、胃腸障害、脳や反射神経の鈍化がおこりやすくなります。これがつまり、脚気の症状です。
ビタミンB2
玄米には、100g中0.1mgほど含まれています。同量の白米には、わずか0.03mg含有されているだけです。ビタミンB2は、B1とともに炭水化物の代謝に関係するほか、脂肪の代謝にも不可欠で、成長促進作用もあります。B2が不足すると、老化したり、スタミナが減退します。B2には肝臓の解毒作用をスムーズにする効果があることがわかり、特に注目されています。
プロビタミンC
ビタミンCの同類で、体内でビタミンCに変わるものです。ビタミンCが欠乏すると、毛細血管から出血しやすくなることは良く知られています。これは、血管の壁の中のゼラチン質が減ってしまうせいです。ゼラチンは、細胞と細胞をしっかり粘着させる役目をはたすもので、このゼラチンを作り出す細胞にとって欠かせないのは、ビタミンAとビタミンCです。ゼラチン質が特に多く含まれている器官は、血管・皮膚・骨・軟骨・靭帯などですから、玄米はこれらの器官を強化する効果が非常に大きいわけです。ビタミンAとビタミンCが不足しますと、これらの器官が弱くなるだけでなく、体全体の抵抗力がひどく弱まり、結核をはじめ、いろいろな慢性病にかかりやすくなります。特に、皮膚や歯肉の生理の正常化にこれらのビタミンは欠かせません。玄米には、体内でビタミンCの働きをするプロビタミンCが含有されています。また、玄米に含まれるビタミンBの代謝によっても、Cが体内で合成されるようです。ですから、玄米のC効果は、もっともっと重視されてよいものです。
ニコチン酸
玄米には、100g中4.5mgほど含まれています。同量の白米には、1.4mg含有されているだけです。ニコチン酸は、炭水化物の代謝にかかわりをもっているビタミンで、ナイアシンとも呼ばれます。これが欠乏すると、皮膚や粘膜に炎症が起こりやすくなり、慢性的に欠乏すると、口角炎・便秘・下痢・腹痛・胃炎などになりやすくなります。これはまた、脂肪酸の代謝にも関係しますので、、不足すると、神経系、特に脳細胞の機能が障害をおこし、ノイローゼをはじめ、いろいろな神経障害が生じやすくなります。
パントテン酸
玄米には、100g中1mgほど含まれています。同量の白米には、ほとんど含まれていません。パントテン酸は、神経系・内分泌系の機能を正常にする重要な働きをする成分です。脂肪の代謝にもかかわりがあり、肌を美しくする作用があります。パントテン酸が不足すると、無気力になって、やたらに居眠りをするようになります。また、性ホルモンの分泌に障害がおこり、性欲が減退し、老化現象が早くあらわれます。玄米にはこのパントテン酸が入っているうえに、腸内でその合成を盛んにする働きがありますから、いっそう大きな効果が期待できます。
ビタミンE
玄米には、100g中約30mgほど含まれています。同量の白米には、ほとんど含まれていません。ビタミンEには、心臓の若々しさを保ち、動脈の弾力性を高める作用があります。下垂体や副腎皮質ホルモンのぶんぴつを健全にする働きもあります。ビタミンEには特に、老化を促す物質(過酸化脂肪)の発生をふせいで、血管の弾力を高め、血液の流れをよくする作用があります。このために、すべての組織と臓器を若々しく保ってくれるのです。とりわけ、心臓と動脈の若さの保持にすぐれた効果を発揮します。各種の内分泌腺の機能を高める働きがあり、特に性腺の機能の強化にめざましい効果があります。たとえば、精子に形成力を増大させ、卵巣の機能を健全にして、精力減退・不妊症・流産を防止します。ビタミンEは回春ビタミン剤として注目されており天然のビタミンEをたっぷり含んだ自然食品・健康食品を摂取することが大切です。
リノール酸
玄米には、良質の脂肪酸であるリノール酸がたっぷりと含まれています。リノール酸は動脈硬化を防止することによって、すべての慢性病を防ぐことに役立ちます。リノール酸にはまた、細胞膜の機能を健全にし、体細胞への物質の出入りを適正にする働きがありますので、リノール酸を十分に補給していると、細胞活動が活発になり、体の抵抗力がぐんと強まります。
●その他
糠は、内側から、糊粉層・種皮・果皮の三層からなっています。糠には、繊維・脂肪・レシチンが特に多く含まれています。玄米を食べると便の量が増えるのは、玄米の消化が悪いのでは決してなく、腸の中にある残り物を、玄米の繊維がきれいにさらって出してくれるからです。玄米の繊維は、腸の内容をスムーズに移送して、便秘を防ぎ、腸内をいつもきれいにしておくために非常に重要なものです。脂肪も胚芽と糠に集中しています。これに含まれる良質の脂肪酸であるリノール酸が動脈硬化を防止し、細胞膜を健全にすることは、胚芽のところでのべたとおりです。また、糠が体内の脂肪の代謝を正常化してくれるため、皮膚が若々しくなり、肥満が防止されます。レシチンはリン脂質で、細胞膜や血球膜の機能を健全化する力があり、毒素に対する抵抗力を非常に高めます。また、コレステロールを乳化して、血管へのコレステロールの沈着を防ぐ働きもあります。レシチンは、窒素化合物であるコリンを含んでいます。コリンは、ビタミンの一種ですが、これは脂肪が肝臓に沈着するのを防いで、肝臓の機能が健全に発揮されるようにする働きをし、動脈硬化と高血圧を防止します。
●参考文献
・ハーブ検定テキスト
・アロマ検定テキスト
・百科事典(平凡社)
・家庭の中医学
・緑の薬局
・健康茶情報
・ハーブテイー薬草データベース
・薬膳情報net
・ハーブの香り
・リブレフラワー