クルミ

くるみを食卓に
どのような料理とも相性の良いくるみは、和食・西洋料理・中華料理はもちろん、パンや菓子の分野まで、独特の食感の良さでそれぞれの調理のおいしさの引き立て役です。手軽に使える くるみは、料理の世界の利用範囲を無限といえるほどに広げています。
ご家庭での保存方法
くるみ本来の美味しさ、食感を保つためには、程よい水分含有量を維持することが大切です。密閉容器などに入れ、直射日光を避けて適度な温度(0℃~3.5℃が目安)で冷蔵保存することをおすすめします。また臭いの強い食品と一緒の保存も避けましょう。

●成分
豊富に含まれる不飽和脂肪酸の他、タンパク質やビタミンB1、食物繊維、カルシウムといった栄養素がギュッと詰まっています。
・くるみに含まれるメラトニンがガンと心臓病に対し保護作用を有することが判明。
・くるみを加えた地中海食で血管疾患リスクを50%抑制。
・高脂肪食にくるみを追加摂取すると動脈が短期的損傷から保護されると判明。
・クルミポリフェノール
・くるみが骨代謝に対して保護作用を示す。
ルミには悪玉コレステロールを減少させる植物系のオメガ3系という脂質が含まれ、クルミをひと掴み(約28g)食べると1日に必要なオメガ3を全て摂取でき、魚には動物系のオメガ3が入っており、植物系と動物系の2種類のオメガ3を一緒に摂ることで、単体で摂るよりもコレステロール値が下がる。

●効能・作用
低飽和脂肪・低コレステロール食として1日1.5オンス(約42g)のくるみを摂取し、摂取熱量を増加させなければ、冠動脈性心疾患のリスクが抑制できる。
くるみは、ビタミン、ミネラル、抗酸化物質をバランスよく豊富に含有するヘルシーなホールフード(未精製・未加工の自然食品)です。また、ナッツとしては唯一、心臓の健康によい必須脂肪酸のオメガ3(n-3系)脂肪酸を豊富に含んでいます。優良なオメガ3系脂肪酸を豊富に含むくるみは、ひとつかみほど(1オンス=約28g)のくるみが、食事摂取基準を満たすだけではなく、コレステロール低下や抗炎症作用以外にも重大な健康効果を示すことが証明されています。くるみはおいしくてヘルシーな「スーパーフード」なのです。
コレステロール低減でヘルシー
くるみは、その栄養素の65%を占める脂質にリノール酸(オメガ6)、リノレン酸(オメガ3)などの良質な多価不飽和脂肪酸を豊富に含んでいます。高い比率で脂質を含むにもかかわらず、コレステロール値はゼロです。また、悪玉脂肪酸であるトランス脂肪酸は含まれていません。そのため、血中コレステロール値を下げ、心臓病、動脈硬化といった生活習慣病の予防に、くるみの摂取が効果的である。
女性にうれしい美容効果
くるみには、食物繊維、ビタミンB1、ビタミンE、鉄分、ミネラルなどが豊富にふくまれています。また、くるみの摂取により満腹度が増し、多くの人がダイエットを続けやすくなったという実験結果もあります。おなかにやさしく、美容効果、さらには老化防止効果もあり、女性にうれしいおいしさにあふれています。
スタミナアップで元気に
「植物性の卵」ともいわれるくるみ。豊富に含まれるタンパク質は、消化されやすく、肉のタンパク質に代わりうるほど、良質なものです。その他に、炭水化物、カルシウム、各種ビタミン、不飽和脂肪酸などをバランス良く含みますので、理想的なエネルギー源としても注目されています。
オメガ3脂肪酸は、これまで背の青い魚に含まれることで知られ、現在何十種類ものサプリメントが販売されています。くるみは、このオメガ3脂肪酸を、魚以外で、おいしく、手軽に、しかも栄養素のバランスもよく摂取できる身近な食品です。
オメガ3脂肪酸とは
脂肪酸は、飽和脂肪酸と一価不飽和脂肪酸、多価不飽和脂肪酸の3つのタイプがあります。飽和脂肪酸は肉に、一価不飽和脂肪酸はオリーブオイルなどに、多価不飽和脂肪酸は主として魚に多く含まれています。くるみは飽和脂肪酸と多価不飽和脂肪酸を1:7の比率で含み、自然界で最も多価不飽和脂肪酸が豊富な食物の一つです。多価不飽和脂肪酸のαリノレン酸のオメガ3脂肪酸、リノール酸のオメガ6脂肪酸は、体内で生成されないため、食物によって摂取するしか方法がありません。これらは、人の生命にきわめて重要な成分であるため必須脂肪酸とも呼ばれていますオメガ3脂肪酸は、特殊な性質を持つ、高比率の不飽和脂肪酸です。脂肪酸の端から数えて3番目の炭素に二重結合があることから、オメガ3と呼ばれます。
至適な健康状態のためには、2グループの必須脂肪酸(オメガ6とオメガ3)の比率が4:1を超えないようにするのが理想的ですが、米国人の平均摂取比率は20:1を超える危険な数値となっています。遺伝学・栄養学・保健センター所長で『オメガダイエット』の著者でもあるアルテミス・P・シモポロス医学博士は「くるみは多価不飽和脂肪酸オメガ6とオメガ3の比率が4:1という、完璧にバランスのとれたユニークな食品である。4:1という比率は、突然死のリスクを抑制することがリヨン心臓試験で明らかにされている」と言っています。シモポロス博士によれば、オメガ3は血中LDL(悪玉)コレステロール値を低下させ、HDL(善玉)コレステロール値を維持または上昇させるということです。

●その他

くるみはナッツ類の中で断とつにオメガ3脂肪酸を含有する食品。
ひとつかみのくるみで、一日の摂取量に十分なオメガ3脂肪酸を摂ることができます。
オメガ3脂肪酸は体内変換で、αリノレン酸からEPA(エイコサペンタエン酸)、DHA(ドコサヘキサエン酸)となります。オメガ3脂肪酸は、細胞膜の構成要素の一つであり、体の調整物質の一つです。動脈硬化を防ぎ、コレステロール値、中性脂肪値を下げ、心臓病、がん、脳溢血・脳卒中、糖尿病、高血圧、肥満など、いわゆる生活習慣病予防に効果を発揮します。オメガ3脂肪酸は、血圧、動脈炎症、血小板粘着を抑制し、血小板の凝集とプラーク形成を発生しにくくします。プラーク形成は、プラークの蓄積、動脈の破裂や塞栓につながるおそれがあります。必須脂肪酸、中でもオメガ3脂肪酸には、不整脈や心停止を抑制する働きがあります。血中に健康的な必須脂肪酸が存在すれば血栓や炎症が抑制され、動脈閉塞や突発性心臓発作のリスクが70パーセント低下することが判明しています。
魚から肉食への食生活の変化により、飽和脂肪酸の摂取の割合は増加しています。また、市販の大豆油を含む食用油にはリノール酸が多く含まれていることもあり、オメガ6脂肪酸は過剰摂取とさえいわれています。いっぽう、オメガ3脂肪酸は酸化しやすい脂肪酸であるため、食品から摂取することがなかなか困難になっています。現代の食をめぐる環境の中では、オメガ3脂肪酸は意識して摂らなければならない状況といえます。
良好な健康は良質な脂肪から2002年11月、米国心臓協会はオメガ3脂肪酸の豊富な食品(魚、くるみ、アマニ、一部の植物油など)を毎日摂取するよう促す声明を発表。
全米アカデミー医学研究所(全米科学アカデミー)食品栄養委員会は2002年9月に食事勧告を発表し、「αリノレン脂肪酸(オメガ3 脂肪酸の一種)とリノレン酸(オメガ6脂肪酸の一種)と呼ばれる2種の多価不飽和脂肪酸は体内で生成されないので、食品から摂取 する必要がある」と述べた。αリノレン酸の推奨一日摂取量は男性1.6グラム、女性1.1グラムである。くるみなら、わずか1オンスで αリノレン酸2.5グラムを含み、全米アカデミーの推奨一日摂取量を上回る。

●参考文献
・ハーブ検定テキスト
・アロマ検定テキスト
・百科事典(平凡社)
・家庭の中医学
・緑の薬局
・健康茶情報
・ハーブテイー薬草データベース
・薬膳情報net
・ハーブの香り
・サプリメントラボ
カルフォルニアくるみ協会