クランベリー

ブルーベリー、コンコードグレープと並ぶ、北米原産の三大果実のひとつ。
クランベリーの歴史
古くはネイティブアメリカンが、「食料・薬・染料」に利用し、生活にかけがえのないフルーツとして大切にしてきた果実。その後、最初に入植したピルグリムたちが、ビタミンC豊富なクランベリーを壊血病や整腸の予防薬として活用し、広くアメリカに伝わっていきました。今日でも、クランベリーは、ジュース、製パン材料、感謝祭やクリスマスの七面鳥に欠かせないクランベリーソースなど幅広く愛用されています。
クランベリーは柔らかい砂質の湿地帯で育ちます。
トゲのある蔓性の植物で、赤い鮮やかな果実を一面につけます。このため、「湿地のルビー」と呼ばれるようになりました。
北米大陸北部の冬は、とても厳しい為、クランベリーは雪の下で、冬越しをします。雪がクランベリーを寒さから守ってくれるのです。

●和名:ツルコケモモ
●科名:低木のツツジ科の植物
●原産地:北米大陸原産
●主な産地:アメリカ北部の寒暖の差が激しい湿地帯に育つ
●部位・形状 :直径10~20ミリの真っ赤な実

●効能・作用
クランベリーはポリフェノール&抗酸化力がNo.1、ビタミンCや食物繊維もたっぷり!
クランベリーに含まれるポリフェノールの一種であるプロアントシアニジンという成分には、膀胱粘膜に細菌が付着するのを防ぎ、膀胱炎を起こりにくくする効果があります。

慢性胃炎・胃潰瘍
ヘリコバクター・ピロリ菌は慢性胃炎さらには胃潰瘍、胃ガンの原因になるといわれています。クランベリーには、ピロリ菌が胃の細胞にくっつくのを防いだり、菌が増えるのを抑える効果があります。いつも胃もたれしたり、胃がチクチク痛むという人、クランベリーを毎日の食生活に取り入れてください

美肌効果・アンチエイジング
クランベリーの抗酸化作用はナンバー1! ORAC(活性酸素吸収能力)とは食品などに含まれる抗酸化物質(カテキン、フラボノイド、カロチノイド、アントシアニン、ビタミンC、ビタミンEなど)の能力を分析する方法で、抗酸化力の強さを表します。

虫歯・歯周病菌
虫歯や歯周病の原因といわれているのがプラーク(歯垢)と虫歯菌。クランベリーには歯垢をつきにくくしたり、虫歯菌を抑える作用があります。

クランベリージュースには悪玉コレステロールを減らす成分が含まれていて、血液サラサラ効果があります。またクランベリーの持つ抗酸化作用が、活性酸素によるダメージからからだを守るのです

クランベリーの特長
膀胱炎・尿道炎に対する作用クランベリーはアメリカ先住民が使用、尿路感染症予防・改善効果
アメリカ捕鯨漁師や船乗りが壊血病予防のために航海の際に携帯鶴,(crane)の頭に似ていることに由来してつけられた「Cranberry」
ブルーベリーの2.5倍のポリフェノールが抗酸化、コレステロール抑制
強い殺菌作用と老廃物排出作用のあるキナ酸含有で殺菌抗菌効果

クランベリーはブルーベリーやラズベリーに似た赤い実をつける植物で、アメリカではクランベリーが持つ幾つかの作用をカラダに取り入れるべく、ジャムやジュースなどあらゆるレシピや食品の形で日常的にかなり食されている。古くは、アメリカ捕鯨漁師や船乗り達が、壊血病を予防するために、ビタミンCの豊富なクランベリーを航海に持っていったという記述もあるほど、クランベリーは長い間人々に重宝がられてきました。アメリカでは、クランベリーは泌尿器系疾患に最も効果があると評価されており、日本でも膀胱炎・尿道炎(尿路感染症)に効果があるとされ、注目を集めています。

(1) 抗酸化作用(効果)
真っ赤なクランベリーの実は、赤い色の色素成分のもとであるアントシアニンとプロアントシアニジンというポリフェノール成分を含んでいます。この成分が活性酸素を減らす抗酸化作用を持っており、コレステロール値の上昇を防いだり、膀胱炎・尿道炎はもちろん各種の感染症予防に役立つ。ポリフェノールは特に果物に多く含まれていますが、その中でも含有量が多いと言われているブルーベリーの総ポリフェノール量は1g中10μmolなのに対し、クランベリーは、1g中24μmolと、よりたくさんのポリフェノール成分が含まれています。

(2) 殺菌&抗菌作用(効果)
クランベリーに含まれる「キナ酸」には強い殺菌作用があり、老廃物の排出も助けてくれます。キナ酸が肝臓で代謝されると馬尿酸という酸性の物質になり、尿を酸性に保たれることで感染菌の増殖を抑制してくれます。尿の通り道についた細菌をやっつけてくれ、それに加えて、その後、菌が付かないようにコーティングして抗菌してくれる。

抗酸化作用と殺菌・抗菌作用、この二つの作用が総合的に働いて膀胱や尿道を細菌から守ってくれる。

クランベリーは、インフルエンザ対策にも期待
クランベリーに含まれる"ポリフェノール"が、抗ウイルスの働きをしています。ポリフェノールは、紫外線などから身を守るために植物が持っている苦味や色素の成分で、強力な抗酸化力で知られています。クランベリーは、特に多くのポリフェノールを含んでいるため、抗ウイルス作用があります。ウイルスは、体内に入り込むと細胞の中に入り込んで悪さをするのですが、ポリフェノールはそのウイルス表面にくっついてコーティングするような役割を持ち、ウイルスが細胞に直接触れられないようにブロックしている。
クランベリーは“飲む消毒薬”のように気軽に利用でき、風邪などの予防効果に加え、感染後の悪化を抑えることにも期待がもたれています。
ドライ・クランベリーについては、乾燥処理の最中に、微量栄養素を含む必要成分が多量に失われてしまう。

●使用方法
クランベリー料理レシピ

●クランベリーソース
材料
(2人分)
材料(2人分) 牛肉 200g
塩・コショウ 適宜
油 適宜
クランベリージュース 300ml
赤ワイン 100ml
固形スープ素 1個
バター 15g
小麦粉 大さじ1
黒コショウ 適宜
作り方
1.牛肉に塩、こしょうをして焼く。
2.小鍋にクランベリージュースと赤ワインを入れて火にかける。沸騰したら中火にし、スープの素を入れて半量になるまで煮詰める。
3.バターと小麦粉を混ぜて練り、2に加えて泡立て器で混ぜながら火をとおす。仕上げに黒こしょうを好みで振る。
コメント
ジュースで作れるソースです。お肉にぴったりのフレンチタイプのソースが仕上がります。冷しゃぶタイプの豚肉、グリルした鶏肉などにもぴったりです。また、ローストビーフに、このソースを付け合せれば、リッチなディナーに。多めに作り、清潔な密閉容器に入れて冷蔵庫で保存すれば、1週間ほどもちます。また、冷凍保存も可能です。

●クランベリーミートーパイ
材料
(2人分)
材料(2人分) ドライクランベリー 60g
牛挽肉 160g
卵 1/2個
タマネギ 1/6個
油 大さじ1
冷凍パイシート 1枚
作り方
1.ドライクランベリーは水少量をふりかけ、電子レンジで約30秒加熱しやわらかくする。
2.フライパンに油を熱し、タマネギがしんなりするまで炒め、荒熱をとっておく。
3.挽肉に、卵、戻したクランベリーと2を入れてよく練り混ぜる。
4.パイシートをのばし、半分に切って、3の種をそれぞれ包む。
5.オーブントースターで、約15分加熱する。
コメント
ホテルやお店で買ってるようなリッチな味わいが、手軽に家で再現できます。その味の秘密を握るのが、ドライクランベリー。ほどよい甘味と酸味が全体の味をひきたてます。牛肉の旨味ともあいまって相乗効果も。一人用にと小さめに作りましたが、大きめに作れば、このままお客様料理に大変身。

●クランベリースープ
材料
(2人分)
材料(2人分) ドライクランベリー 40g
ベーコン 1枚
人参 1/3本
じゃが芋 1個
セロリ 1/2本
豆の水煮缶詰
(好みのタイプ) 60g
固形スープ素 1/2個
塩・コショウ 適宜
作り方
1.鍋に油を熱し、細切りにしたベーコンを炒める。続いて、食べやすい大きさに切った人参、じゃが芋、セロリを入れて炒め合わせる。
2.全体に油がなじんだら、豆、ドライクランベリー、分量の水とスープの素を入れて煮る。
3.野菜が柔らかくなったら、塩、コショウで味を調え火を止める。(仕上がりにパセリをちらしてもきれいです)
コメント
冷蔵庫にある残りの野菜で、パッと作れるヘルシーなお手軽スープです。味の補足にクランベリーを使うと、甘味だけでなくほどよい酸味も加わります。

●クランベリースパイスピラフ
材料
(作りやすい分量)
材料(作りやすい分量) ドライクランベリー 80g
鶏もも肉 1枚
オリーブオイル 大さじ2
にんにく(みじん切り) 1片
タマネギ(みじん切り) 1/6個
ターメリック 小さじ1/2
クミンシード 小さじ1/2
オレガノ 小さじ1/2
黒コショウ 小さじ1/2
米 2カップ
水 1 2/3カップ
固形スープ素 1/2個
塩 小さじ1/2
作り方
1.鶏もも肉は塩少々をもみこみ、角切りにする。
2.鍋にオリーブオイル、タマネギとにんにくを入れて香りがたったら、1の鶏肉を入れて焼く。
3.スパイス類とクランベリーを入れて炒め合わせる。
4.炊飯器に分量の米と水、固形スープの素、塩を入れ、3をのせて普通に炊く。
コメント
炊飯器に入れれば出来あがる簡単ピラフ。スパイスはお好みのもので。ない場合は省いてもOK。クランベリーの甘酸っぱさが、鶏肉とマッチします。また、クランベリーなら色あせせずに炊きあがってくれるのも嬉しいポイント。何も手を加えずにそのまま入れる、そんなお手軽効果もあるんです。

●その他
クランベリージャムは加熱によって有効成分が熱により失われている可能性があります。また、クランベリージュースの場合、様々な添加物や糖分が入っていたり、果汁が薄められていたりすれば、かなり多量に摂る必要があります。さらに、クランベリージュースは少なからず胃に負担がかかるため、体に合わないという方も多い。本来ならクランベリーの実をそのまま食します
膀胱炎・尿道炎予防のために、クランベリーを継続的に摂取するならサプリメントの形で摂るのが賢明でしょう。「本来は生の果実の形で」と考えているのなら、なるべくクランベリー素材の優秀さと新鮮さを損なわないような加工がされているサプリメントに注目してみるのも良いかもしれません。

●参考文献
・ハーブ検定テキスト
・家庭の中医学
・緑の薬局
・健康茶情報
・ハーブテイー薬草データベース
・薬膳情報net
・ハーブの香り
・サプリメントラボ