エゴマ
高冷地を中心に作られている雑穀であり油脂性の植物です。食べ方がゴマとよく似ていますが、エゴマの成分・効能はゴマとは全く違います。エゴマにはアルファ・リノレン酸という健康によい油が60%以上も含まれていますが、ゴマにはそれがほとんどない
エゴマ油はリノール酸の害を抑えるα-リノレン酸が主成分です。血液を綺麗にして、脳梗塞や、心臓病の原因である血栓を作りにくくします。また、血行を良くし、血液循環を促進し、末梢血管を拡張するなど、冷え性の改善にも効果的です。
α-リノレン酸は、体内でDHAやEPAに変化し、脳や網膜などの神経細胞に作用します。脳の働きを活発にするので、痴呆の予防や学習能力の向上に有効です。エゴマには、腐敗菌が繁殖するのを防ぐ殺菌効果があります。刺身にシソが添えられているのはそのためです。
プロスタグランジン
α-リノレン酸を主成分とするえごまエゴマ油には、アラキドン酸という成分が含まれており、プロスタグランジンという発ガン性物質の生成を阻害します。プロスタグランジンは、身体をコントロールするために様々な機能に関わっています。α-リノレン酸とリノール酸によって体内で作り出されます。健康のためには双方のバランスが大切とされており、過不足なくそれぞれを作り続けていくためには、摂取のバランスが重要になります。理想は1(α-リノレン酸):4(リノール酸)だそうです。
●科名:一年生のシソ科植物、シソと学名が同じ(Perilla ペリラ)植物
●原産地:インド高地より中国雲南省の高地
●主な産地:東アジア
●成分
エゴマ油には、必須不緩和脂肪酸のアルファ・リノレン酸という成分が含まれています。アルファ・リノレン酸とは、体内の不要な油を分解し、脂肪をたまりにくくする働きをするのです。アルファ・リノレン酸は、体内では作ることのできない成分なので、食品からとる。ビタミンB1、ビタミンB2,カルシウム、たんぱく質を豊富に含んでいます。アラキドン酸
●効能・成分
エゴマ油にはダイエット効果がある
エゴマ油に含まれるアルファ・リノレン酸は体内の脂肪を燃焼させる成分によりダイエット効果。油なのに痩せられるのですが摂りすぎては逆効果。
エゴマ油の効果、効能
アレルギーを抑制させる効果、血液サラサラ効果、血圧の安定効果、ガンを抑制させる効果、動脈硬化の予防、糖尿病の予防などさまざまな効果や効能があります。
*エゴマ油は、熱に弱いという弱点があります。ドレッシングや料理の風味付けに適しています。炒め物などに使う場合はできあがった料理に振り掛けることをおすすめします。
リノール酸が体内にてアラキドン酸に変換し、その代謝産物が炎症、アレルギー、血小板凝集能の亢進さらには大腸ガン、乳ガン、肺がんなどにも関係するからです。
リノール酸群(ω6系脂肪酸)を減らし、それと拮抗する作用のあるαリノレン酸群(ω3系脂肪酸)を増やす食事が理想的。ω3系脂肪酸は単に脂質として優れているだけでなく、心筋梗塞の原因となる血栓が形成されにくくなり、心臓突然死の引き金になる不整脈の予防にもつながる。
飽和脂肪酸は肉の脂やバターなどの動物性脂肪の多く含まれ、悪玉コレステロールや中性脂肪を増やす原因になります。一方、一価不飽和脂肪酸はオリーブオイルや菜種油などの植物油脂に多く含まれ、善玉コレステロールを増やします。多価不飽和脂肪酸のリノール酸とα-リノレン酸は体内で合成することができないので必須脂肪酸といわれます。
また、EPA,DHAは、コレステロールや中性脂肪を減らす働きがあります。DHAは脳の情報伝達をスムーズにして記憶・学習能力を向上させ、脳の老化を防ぐ効果があると言われています。 どの脂肪も1g9kcalなので摂りすぎると太ってしまいますが、オメガ3の多価脂肪酸と中鎖脂肪酸はダイエットに有用な脂肪酸です。
<EPA・DHA>
中性脂肪やコレステロールを減らします。肥満の人にとっては心配な心筋梗塞、脳梗塞、血栓症、高脂血症、高血圧症などに有効です。血液の凝固を抑制することで血栓をできにくくしますが、過剰に摂りすぎると血が止まりにくくなるという弊害もあります。
魚に多く含まれますが、光に弱いので干物にすると酸化してしまいます。また、煮たり焼いたりすると油が流れ出すので刺身で食べるのが効率的です。体内で酸化されやすいので、抗酸化物質のビタミンEと一緒に摂ると良いでしょう。
<αリノレン酸>
体内でエネルギーになりやすいので蓄積脂肪になりにくく、必要に応じEPA、DHAに作り変えられます。これが脂肪酸合成酵素の働きを抑制し、新しい脂肪の合成を防ぐだけでなく、血中脂肪酸の分解を進める酵素の働きを活発にします。
エゴマ油、亜麻仁油などに多く含まれます。その他、菜種油や大豆油などにも8~12%程度含まれています。酸化されやすいので加熱調理には向きません。ドレッシングなどに使うといいでしょう。
<中鎖脂肪酸>
長鎖脂肪酸はゆっくりと吸収され中性脂肪に再合成されて筋肉や脂肪組織に運ばれます。利用されなかった脂肪は体脂肪として蓄積されます。一方、中鎖脂肪酸は吸収が速く肝臓で酸化分解されるので中性脂肪への再合成がほとんどありません。
母乳、牛乳、乳製品の脂肪分には3~5%、ヤシ油、 パーム核油などには5~10%程度の中鎖脂肪酸が含まれています。ノニという熱帯植物(日本名ヤエヤマアオキ)にも含まれています。
<共役リノール酸>
リノール酸と分子式は同じですが二重結合の位置が少し違います。リノール酸のように必須脂肪酸としての機能はありませんが、制ガン作用やアレルギーの軽減など有益な生理機能を持つことが最近わかってきました。
ダイエットに関しては、
・脂肪酸が脂肪細胞に取り込まれるのを抑制
・脂肪細胞から脂肪酸への移転を促進
・肝臓での脂肪燃焼を促進
という3つの作用で体脂肪が燃焼されやすくします。
リノール酸から共役リノール酸への変化は牛や羊などの反芻動物の体内でも行われるので、牛や羊の肉、その乳や乳製品に含まれています。ゴーヤには共役リノレン酸が豊富に含まれていて、それが体内で共役リノール酸に変わります。
●使用方法
炒ったエゴマの種実はご自宅の食卓でゴマのように何でもふりかけて食べてください。クッキーやパンにも混ぜて作ってみる
●風味
エゴマの種実をフライパンで炒って食べるとその味は、ゴマではなく、大豆である「きな粉」に近く、香ばしくてとてもおいしいです
●その他
リノール酸とα-リノレン酸の食用油摂取の割合を現在の4:1から2:1まで近づくように、以前の伝統的和食にもどすことがが重要だと指摘されています。 1985年のデータでは、1日60グラム(総カロリー2200カロリー中25%)までになり脂質生化学の分野では油脂摂取量の増加と、がん、心臓病、糖尿病等の成人病の増加との相関関係や、アトピー性皮膚炎等のアレルギー疾患との関係が指摘されています
〝α-リノレン酸系列の油〟が必要とされているのです。
しそ油は、えごま(シソ科植物)より抽出したα-リノレン酸をたっぷりと含んだ、とってもヘルシーなオイルです。さらに、オリーブ油、マカデミアナッツ油をバランスよくブレンドすることで、酸化安定性の高い、おいしい食用油となっています。
リノール酸の多い油(紅花油、ヒマワリ油、コーン油,大豆油、月見草油など)を減らし、またこれらを使用した製品、マーガリン、マヨネーズ、ドレッシングやポテトチップス、ポップコーンなどの菓子類にも注意。好ましいものとして、αリノレン酸の群、野菜類,魚介類を煮たり焼いたり生でたくさん食べることが望まれます。
油としてはシソ油、エゴマ油を自家製ドレッシングとして用いるのがいいでしょう。高オレイン酸油であるキャノーラ油、オリーブ油などは天ぷら、揚げ物にはむいており、リノール酸の害は少ないが何らかの有害因子を含んでいる可能性があり、とりすぎは危険です。動物性脂肪(バター、牛脂)は高温調理に適しており、菓子類では高リノール酸油と置き換えるのが良いとされています。
●参考文献
・ハーブ検定テキスト
・家庭の中医学
・緑の薬局
・健康茶情報
・ハーブテイー薬草データベース
・薬膳情報net
・ハーブの香り
・サプリメントラボ