アーモンド
アーモンドは堅い殻に覆われた果実の真ん中の部分が可食部です。カリフォルニアでは、30種類以上ものアーモンドの品種が生産されていますが、形・味ともに粒ぞろいの「ノンパレル」と呼ばれる品種がカリフォルニア産の50%以上を占め、日本にも最も多く輸入されています。
ホール、スライス、ダイス、パウダー、ペーストなど、他のナッツに比べて形状のバリエーションが豊富なため、お菓子やパン、お総菜など、様々な食品に利用されています。また、食物繊維、ミネラル類、オレイン酸、ポリフェノールなど10種類以上の豊富な栄養素がぎっしり詰まったアーモンドは「天然のサプリメント」と呼ばれその健康効果が証明されています。
●科名:バラ科サクラ属
●部位・形状 :アーモンドホール(粒)、アーモンドスライス、アーモンドスリバード(細い棒状のもの)、アーモンドダイス(細かいサイコロ状のもの)、アーモンドパウダー、アーモンドオイル、アーモンドペースト
●栽培と収穫:収穫時期は8月中旬~10月
●成分
たんぱく質、脂質(オレイン酸など)、食物繊維、カルシウム、マグネシウム、カリウム、亜鉛、銅、リン、鉄、ナトリウム、ビタミンA、B1、B2、E、葉酸、ナイアシン、ポリフェノール(カテキンやフラボノイドなど)
ビタミンEとポリフェノール、オレイン酸
●作用・効能
効能:抗酸化作用、生活習慣病対策、アンチエイジング、コレステロール抑制効果、糖尿病予防、心臓病予防、整腸作用、ウェイトコントロール効果、生活習慣病に効く
血液がドロドロになる動脈硬化など、わたしたち現代人を悩ませる生活習慣病。体内の細胞を酸化させ、からだをサビつかせる「活性酸素」が、主な原因のひとつといわれています。もともと人間は、活性酸素をやっつける力(抗酸化力)を持っていますが、加齢とともにその働きが低下。
強い味方のアーモンド!
カリカリッと美味しく食べるだけで、ビタミンEとポリフェノールという2つの抗酸化成分が、同時に摂れてしまうんです。ビタミンEは、活性酸素の害から細胞や血管を守る働きがあり、さらに、動脈硬化や心臓病を助長する可能性のある「悪玉コレステロールの酸化」を抑制、生活習慣病対策にぴったりの栄養素。
ポリフェノールには、いろいろな種類がありますが、アーモンドに含まれているのは、緑茶でおなじみの「カテキン」や、ブロッコリーなどの“緑”のお野菜で話題になった「ケンペロール」などです。これらは、特に抗酸化力が高いといわれ、活性酸素の暴走をシャットアウト!さらに、悪玉コレステロールを減らす働きがある。心臓病やその他の慢性疾患のリスクを下げる力強い助っ人、ビタミンEとポリフェノールのWの抗酸化力に加え、アーモンドには、さらに生活習慣病の大敵、悪玉コレステロールを減らす働きがあるオレイン酸や食物繊維も豊富。毎日のアーモンド習慣で、“サビないからだづくり”
アーモンドの皮に含まれるポリフェノールと、アーモンドの実に含まれるビタミンEの2つの抗酸化パワーの相乗作用で悪玉コレステロールの酸化を抑制することがわかりました。ポリフェノールとビタミンEを含むアーモンドを食べることにより、悪玉コレステロールの酸化を抑え、心臓病をはじめとする生活習慣病対策や老化防止に作用する可能性を示しています。
コレステロールに効く
アーモンドの主成分はオレイン酸。善玉コレステロールはそのままに、ドロドロ血液のもとになる悪玉だけを減らしてくれる、良質な脂質です。オリーブオイルでおなじみ一価不飽和酸の一種であるオレイン酸は、リノール酸などの多価不飽和酸に比べると酸化されにくいのが特長です。さらに、悪玉コレステロールを抑えるたんぱく質や、糖分の吸収スピードを穏やかにするマグネシウムなどのミネラルも豊富に含まれ、糖尿病や心臓病予防にも役立ちます。毎日、手のひら1杯分のアーモンドを食べた男女が、試験前の基準値と比べて、悪玉コレステロール値が4.4%減少、さらに、手のひら2杯分を食べた被験者は9.4%も減少。
ダイエットに効く
アーモンドに含まれる食物繊維が、コレステロールと糖の吸収を抑えてくれるため。食物繊維は、腸内で余分な脂肪を包み込み、便として排出してくれる働きがあり、脂肪の吸収をブロックしてくれます。食物繊維には、糖の吸収を穏やかにして血糖値の急上昇を抑える働きもあります。固くて噛みごたえのあるアーモンドは、少量でも満腹感が得られることがポイントです。何度も咀嚼することで満腹中枢が刺激されるため、結果的に全体のカロリーが抑えられるという研究報告もあります。食事の前に意識してよく噛んで食べるとより効果的です。
腸内環境に効く
プレバイオティックスとは善玉菌(プロバイオティックス)を増やす作用のある成分のこと。善玉菌が増えることで、腸内環境が整えられ、からだに良い影響を与えてくれます。食物繊維が豊富なアーモンドにも優れたプレバイオティックス効果がありアーモンドを継続して摂取することで、理想的な腸内環境へと近づけます。
アーモンドの食物繊維は、ごぼうと比べて約2倍、玄米の約8倍!便のかさを増やし、腸の働きを活発にしてくれる不溶性の食物繊維だから、気になる便秘で悩んでいるあなたにもオススメです。腸内に溜まっていた悪い物質を排出することで、お肌の悩みも改善されて、一石二鳥。毎日たっぷりお野菜を食べて食物繊維を摂るのはなかなか大変ですが、アーモンドなら、ポイッとお口に放り込むだけ。アーモンドに含まれている脂質にも、ビフィズス菌や乳酸菌などの善玉菌(プロバイオティックス)を増加させるプレバイオティックス効果があることが新たに検証されました。 さらに、このプレバイオティックスが免疫や心臓の健康面においても効果を発揮。有益な腸内微生物がその成育にアーモンドの脂質を必要とし、食物繊維と同じように、プレバイオティックス効果を発揮している。私たちの免疫力は腸内環境に左右されるといわれています。プレバイオティックスは腸内環境を整えるプロバイオティックスの働きをサポートするため、免疫力の向上に役立つことが期待できます。アーモンドのプレバイオティックスは、すでに報告されているコレステロールへの影響にとどまらず、免疫や心臓疾患などの健康面においても大きなパワーを発揮する可能性があることを示しています。
ダイエット食と一緒にアーモンド(1日84g)を摂取するとダイエット効果が上がる
アーモンドの食物繊維はごぼうの約2倍、サツマイモの約4倍となっており、ホルモンバランスや肌の状態を整えるビタミンEが補えるアーモンドの細胞は硬くて厚いので吸収に時間がかかるためアーモンドは200回噛め」とアメリカでは言われています。
●おいしい食べ方
アーモンド料理レシピ
アーモンドふりかけ<6~8食分>
アーモンド(ホール) 20g/だし用のかつお節 5g/青のり 小さじ1/
塩 小さじ1/4~1/5
全ての材料をフライパンに入れて、菜箸で混ぜながら炒る。
かつお節がパリっとして香ばしい香りが立ったら、バットかボウルに移して、手でかつおぶしを粉々にする。
アーモンドと青のりには、ともに抗酸化物質が含まれています。
<作るときのポイント>
炒り過ぎて焦げないように気をつけましょう。
青のりと塩は、風味や味の好みで調整をして下さい。
熱いうちに容器などに移すと、湯気の湿気で食感が落ちてしまうので、熱いうちにかつおぶしを粉々にして、粗熱が取れるまでは放置しておきましょう。
●その他
アーモンドは、ホール、スライス、ダイス、パウダー、ペーストなど、様々な形状に加工されているので、お料理への活用も自由自在。サラダやヨーグルトにトッピングしたり、スープやドリンクに混ぜたりといった超簡単レシピから、フライの衣として使ったり、パスタや炒め物の具材としも活躍します。さらに、リッチなコクと香ばしい香り、そして楽しい食感もアーモンドならではの特長。和・洋・中問わず、どんな調理方法にも使えるアイテムです。特に、あっさりした和食には程よいコクを与えてくれるので、実は好相性の組み合わせです。
長い歴史を持ったアーモンド
1世紀頃のギリシャの植物図鑑には、すでにアーモンドの薬効に関する記述があるほど、長い歴史を持った食物です。その起源は西アジアと言われ、ローマ時代にはシルクロードを通って地中海、やがてヨーロッパ全域に広まりました。その後、修道士らとともに大西洋を渡り、18世紀にはスペイン人の宣教師によってカリフォルニアに入ってきました。
古代ローマでは、出産を願うおまじないとして新婚夫婦にアーモンドシャワーを浴びせたと伝えられています。また、フランスでは、アーモンドクリームがたっぷり詰まった伝統的な焼菓子“ガレット・デ・ロワ(王様のお菓子)”を、一年の幸運を祈って新年に食べる習慣があります。しかも、ホールのなかに一粒だけ忍ばせたアーモンドが当たった人は、その日一日王様や王女様になって祝福を受けることができるのだそうです。アーモンドのハッピーパワーにあやかって、健康と美容、さらに幸運を手にいれましょう!
●参考文献
・ハーブ検定テキスト
・家庭の中医学
・緑の薬局
・健康茶情報
・ハーブテイー薬草データベース
・薬膳情報net
・ハーブの香り
・サプリメントラボ
・カルフォルニアアーモンド協会